第68回 日本糖尿病学会年次学術集会での発表
5月29日から31日にわたって、岡山県で開催された第68回 日本糖尿病学会年次学術集会に参加し、発表を行ないました。糖尿病の治療では、私たち理学療法士の役割がますます重要になっています。糖尿病の合併症を防ぐだけでなく、筋肉が衰える「サルコペニア」や、心身が弱る「フレイル」への対策も欠かせません。
また、新しい糖尿病の薬が登場し、治療法が大きく変わってきています。そのため、糖尿病の病態のしくみを深く理解し、それに合った理学療法治療や評価を選ぶことがとても大切です。医師をはじめとする他の医療スタッフと協力しながら、私たち理学療法士も学びを深め、社会に貢献していく必要があると強く感じています。
今回、理学療法学科の藤沢教員が、医療スタッフ優秀演題審査に選ばれ、5月29日の最終審査で発表する機会を得ました。残念ながら受賞は逃しましたが、大変貴重で有意義な経験となりました。
藤沢千春教員は、岩本内科医院で非常勤の理学療法士として、研究活動や患者の運動指導に携わっています。今回の発表は、その中で見つけた疑問を解決するための研究です。
発表のテーマは、「骨格筋指数における身長バイアス問題と新規補正モデル:外来2型糖尿病患者における検証」 です。
これは、一般的に使われている筋肉の評価方法には「偏り(バイアス)」があることを統計学的に明らかにし、より正確な評価をするための新しい計算方法を提案したものです。約800人もの糖尿病患者の筋肉のデータを分析し、その結果を発表しました。
この研究は、私たちが目指す「研究成果を実際の医療現場に活かす」という取り組みの一部です。これからも、糖尿病の理学療法(評価方法の確立や治療法の開発)の発展に貢献する活動を続けていきたいと考えています。
学会では、たくさんの講演や発表、オンライン配信を通じて、多くの新しい情報を得ることができました。そして今後の学生指導に役立つ貴重な学びとなりました。今回の経験を、学校での教育や研究活動に活かしていきたいと思います。
